錦川鉄道は、旧国鉄岩日線。特定地方交通線に指定され存続が危ぶまれたが、沿線市町村・山口県などが出資して第三セクター鉄道として鉄路を守ることとなった。株主の中に中国電力や広成建設が入っているのがユニークだ。
新岩国駅から徒歩3分で、錦川鉄道錦川清流線の御庄駅。
山陽新幹線開業時このような近くに国鉄駅があるのなら、御庄駅を「新岩国駅」と改称して、一体化して在来線接続をとるのが普通の考え。ところが、岩日線の本数があまりに少なく、新岩国駅接続のためだけに増発しても採算が厳しいと考えられたことから、御庄駅は新岩国駅とはならず、別々の駅となってしまった。結果、山陽新幹線の開業は岩日線の経営に寄与せず、岩日線は特定地方交通線指定→第三セクター化された。新岩国駅もアクセスの悪さから利用客が伸びず、東海道山陽新幹線の利用者数最小駅(乗車人員975人/日、2006年)となってしまった。
(※但し、新幹線の乗車人員だけを抽出すると、厚狭駅は500人弱/日といわれる)
ホーム上に貨車(車掌車)の廃車体・いわゆる「ダルマ」が鎮座し、待合室になっている。元々は交換可能駅だったようだが、現在では新岩国駅側(東側?)の線路は剥がれて棒線駅になっている。
御庄駅に錦町行列車が入線、新鋭の3003号車「こもれび」が充当されている。
後方は山陽新幹線の高架。
乗り込むと、乗客は自分を含めて8名。・・・これでは、軽油代も出ないのではないか。時間帯が悪いとはいえ、これは厳しい。
内装は↑こんな感じ。厚みのある転クロ(転換クロスシート)は快適で、頭カバーが付いているのも好感が持てる。また、特記すべきは壁に取り付けられた折りたたみテーブル。飲食に、書き物にとても便利。木目調になっているのも雰囲気があり。車椅子対応のトイレも設置されており、ローカル利用では申し分のない内装となっている。
ただ、力行時のエンジン音がやたら大きいのはいただけない。JR西日本のキハ126あたりとも共通する轟音系サウンドで、一般利用客からすると減点材料だろう。
全体としては、とてもできのいい車両であり、芸備線にもこんな車が入ってくれたらとうらやましくなる。
列車は錦川に沿って、ゆるゆると進む。以前より徐行箇所が増えたのだろうか?JR西日本の悪いところは見習わなくて良いのだが・・・
行波で1名降車(7名)
北河内で1名降車(6名)、岩国行3001形普通列車と交換
椋野を出てまもなく、警笛を鳴らして急停車。列車を止めて、運転士が線路のすぐ際にいた親子連れとなにやら話をしている。カメラは確認できなかったが、新車狙いの撮り鉄であればもってのほかの所業だ。現場に迷惑をかけることは、鉄であれば厳に慎まなければならない。
南桑で1名降車(5名)
河山で1名乗車(6名)
そして終点錦町に到着。御庄からの運賃は850円。
左が乗って来た3003号「こもれび」。右手前の黄色い車両が最新鋭3004号「きらめき」で、12月23日にデビューしたばかり。右手奥・車庫の中の赤い車が3002号「ひだまり
錦川鉄道では、岩国市の合併特例債などを財源として、新車が導入された。が、並の新車では大幅な利用増にはつながらない厳しい地方交通の現状である。
地域の活性化、観光利用の掘り起こし、鉄道自体の観光資源化など、あらゆる手段を使って盛り上げていかなければ、鉄道の存続はおぼつかない。そして鉄道を手放してしまった地域がどうなるか、それは地域の観光・経済への痛打となってしまう。広島県安芸太田町が良い例だ。
幸い、錦川鉄道沿線は鉄道存続への意識が高く、利用増への取り組みもあれこれ行われ、それなりの効果を挙げている。そして、外部の鉄ヲタにできることは、鉄道の魅力を発信すること、乗車して鉄道にお金を落とすこと、当該地域で消費活動を行って地域にお金を落としてくることだ。

